2023年5月31日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の栗山英樹監督が、契約満了により退任しました。
3月に開催されたWBCでは、栗山監督率いる侍ジャパンこと日本代表が優勝し、日本中が熱狂しましたね!
そのWBCを皮切りに、今後はスポーツの大きな大会が目白押しです。
7月の世界水泳、8月のバスケットボールワールドカップ、9月のラグビーワールドカップ、そして2024年にはパリオリンピックもあります。

そんな中、近年は10代のアスリートの活躍が目覚ましいですよね。
2020年東京オリンピックでは、新競技の一つであるスケートボード・女子ストリートで、西矢椛(にしや もみじ)選手が日本人女子最年少(当時13歳330日)の金メダリストとなりました。
また、2022年北京オリンピックでも、スノーボード・女子ビッグエアの村瀬心椛(むらせ ここも)選手が、当時17歳3か月で銅メダルを獲得しています。

ところで、この二人の名前、初めて見たときに読めましたか?
木へんに花と書く「椛」という漢字、読めなくて困惑した人も多いと思います。
そこで、今回はこの「椛」について、徹底調査してみました!
- 「椛」(木へんに花)の読み方は?
- 「椛」(木へんに花)を使った名前の読み方は?
- 「椛」(木へんに花)を使った苗字(名字)の読み方は?
「椛」(木へんに花)は「もみじ」「かば」という読み方の和製漢字

木へんに花と書く「椛」は、「もみじ」と読みます。
西矢椛選手の名前も、そのまま「もみじ」でしたね。
この「椛」という漢字は、2004年9月に人名用漢字に追加された和製漢字※の一つです。
※和製漢字:日本で作られた漢字。一般的な漢字と違い、中国由来ではない。

和製漢字はほかにも「峠(とうげ)」「笹(ささ)」があるニャ
モチーフとなった「樺(かば)」という漢字は、「カバノキ」(カバ、カンバ)という別の植物の名前。
樺の「華」の部分を、同じ読み方・同じ意味を持つ「花」に置き換えて、「椛」となりました。
その名残もあって、「椛」を「かば」と読むこともあるんですよ。
その後、「木」と「花」の組み合わせから「木の葉が花のように変化する様子」を連想して「もみじ」を表すようになったといわれています。
一つの漢字で複数の植物を表すなんて、めずらしいですね!
「椛」(木へんに花)を使った名前の読み方には「あき」「いろ」「か」「かえで」「なぎ」がある


「椛」という漢字は、「花」の部分のかわいらしさから、名前に使われることが多くなりました。
西矢椛選手の「もみじ」や村瀬心椛選手の「ここも」以外で、どんな名前に使われているのかをご紹介します!
「椛」の読み方 | 名前の例 |
あき | 椛朋 (あきほ) |
いろ | 椛羽 (いろは) |
か | 愛椛 (あいか) |
かえで | 椛 (かえで) |
なぎ | 椛 (なぎ) |
「花」と同じように「か」と読ませるほか、紅葉から連想した「あき」「いろ」など、バリエーションが豊富ですね!
ほかにも、「かえで」「なぎ」など、モミジ以外の植物の名前をあてているケースもありました。
ちなみに一言『モミジ(椛)とカエデ(楓)は同じ植物』
紅葉でおなじみのモミジとカエデですが、実は同じ植物だったんです!
どちらも、ムクロジ科カエデ属の広葉樹の総称で、英語でも共通して「maple」。
2つの違いは葉の切れ込み具合で、切れ込みが深いものをモミジ、浅いものをカエデと呼びます。
「椛」(木へんに花)を使った苗字(名字)の読み方には「もみじ」「かば」「なぎ」がある
「椛」は苗字(名字)にも使われていました。
どんな苗字(名字)があるか見ていきましょう。
苗字(名字) | 読み方 |
石椛 | いしなぎ |
大椛 | おおかば、おおなぎ、おおもみじ |
椛 | かば、かんば、もみじ |
椛木 | かばき |
椛沢(椛澤) | かばさわ、かばざわ、からさわ、もみじさわ、もみじざわ |
椛島 | かばしま、かばじま、もみじしま、もみじじま |
椛嶋(椛嶌) | かばしま、かばじま |
椛田 | かばた、もみじだ |
椛谷 | かばたに、かばや、もみじたに |
椛村 | かばむら |
椛本 | かばもと |
椛山 | かばやま、もみじやま |
白椛 | しらかば |
「もみじ」もそこそこ使われていますが、「かば」が圧倒的に多いですね。
「樺」という漢字が原点なので、当然と言えます。
そんな中、「なぎ」と読むものがありますが、その由来を2つ発見しました。
1つ目は、愛知県田原市にある「椛(なぐさ)」という地名。
「なぐさ」が訛って「なぎ」と読むようになったといわれています。
2つ目は、植物の「梛(なぎ)」から来ているという説。
梛の「那」という漢字は、「しなやかで美しい」という意味があるので、モミジも同様にしなやかで美しいことから「なぎ」と読むようになったのかもしれません。
ちなみに一言『木へんに○○シリーズ』
木へんに花で「椛(もみじ)」、木へんに那で「梛(なぎ)」のほかに、
「たまに見かけるけど、これなんて読むんだろう?」
という木へんの漢字を調べてみました!
- 木へんに母(栂):つが、とが
- 木へんに葉(※):ゆずりは(=楪)
- 木へんに百(栢):かしわ(=柏)
※環境依存文字のため記載なし
まとめ
- 「椛」(木へんに花)は「もみじ」「かば」と読み、中国由来ではない和製漢字である。
- 「椛」(木へんに花)を使った名前の読み方には、「もみじ」「も」のほかに、「あき」「いろ」「か」「かえで」「なぎ」がある。
- 「椛」(木へんに花)を使った苗字(名字)の読み方には、「もみじ」「かば」「なぎ」がある。
漢字にもいろいろな背景があるんですね。
このブログには、ほかにも漢字について調べた記事があるので、よかったらご覧ください!


これらの記事では、「怒涛(どとう)」や「儚い(はかない)」の意味を細かく分析しています。


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