現代人の悩みのほとんどは、人間関係が原因と言われています。
確かに、性格の違う人や相性の悪い人はいますし、上手く付き合うのは難しいですよね。
中でも厄介なのが、実際は迷惑なのに、良かれと思って口出しなどをする人。
そんな行為を「講釈を垂れる」なんて言いますね。
今回は、この「講釈を垂れる」の意味や心理、類語や英語について、分析していきます!
この記事でわかること
- 「講釈を垂れる」の意味や語源、例文
- 「講釈を垂れる」人の心理とその対応
- 「講釈を垂れる」と同じような意味の言葉(類語)
- 「講釈を垂れる」という意味の英語
「講釈を垂れる」の意味は「上から目線でだらだらと物事を伝えること」

「講釈を垂れる」には、「だらだらと説明する」「上から目線で物事を伝える」といった意味があります。
お察しのとおり、あまり良い意味で使われません。
捉え方によっては、「めんどうくさい」「口うるさい」「しつこい」「押しつけがましい」「えらそう」といった意味も含まれているからですね。
「講釈」の意味は「文章の意味や物事の意義・価値などを説明すること」

そもそも「講釈」という言葉は、物事を説明することを指します。
この「講」という漢字は、「説く」「説き明かす」「論じる」といった意味で、そこから「意見を交わす」=「人々が一緒に道理を明らかにする」となりました。

「講演」や「講堂」は、大勢の人々が集まるイメージの言葉だニャ
一方「釈」(旧字:釋)は、わかりにくい事柄や文章を解きほぐして述べることを指し、「分解する」という意味があります。
「解釈」や「注釈」など、言葉を噛み砕いてわかりやすくするときに使われますね!
この「講」と「釈」が合わさり、物事の意味や価値をわかりやすく説明するという意味になりました。
「垂れる」の意味は「目上の者が目下の者に示したり与えたりする」


「垂れる」は、だらんとぶら下がるという意味だと、何となくわかるかと思います。
しかし、「物事を説明することがだらんとぶら下がる」では、意味がわかりにくいですよね。
だらだら感こそありますが、よりふさわしい意味はないのでしょうか?
よくよく調べてみると、「垂れる」には「目上の者が目下の者に示したり与えたりする」という意味があることがわかりました!
すると、「講釈を垂れる」は「目上の者が目下の者に物事を説明する」となるので、意味も通じますし、上から目線な感じが出てきましたね。
「講釈を垂れる」の使い方と例文


「講釈を垂れる」は、否定的な意味を持ちます。
相手を褒めたり敬ったりする言葉ではないので、使い方には気をつけましょう。
例1:あの先輩は、仕事もろくにできないのに、仕事術について後輩に講釈を垂れてばかりいる。
例2:「これ何だっけ」と独り言をつぶやいたら、隣の席の上司が意気揚々と講釈を垂れてきた。
例3:講釈を垂れるのではなく、必要なことを必要な分だけ簡単に説明できる人になりたい。
「講釈を垂れる」人は心理的に優越感や自己顕示欲が強い


続いては、講釈を垂れる人の心理について、考察していきます。
Q1.なぜ講釈を垂れるのか?→A.優越感に浸りたいから、自分を認めてもらいたいから
Q2.講釈を垂れる人への対応は?→A.聞き流す、それがダメなら上司などに相談する
講釈を垂れるのは満たされていない証拠


講釈を垂れる人の心理というのは、基本的に余裕がなく、現状に満足していません。
「自分はこの人よりできる!」とか「自分が優秀であることを見せつけたい!」とか考えているわけです。
なので、マウンティングをして優越感に浸ったり、自分を認めさせようとするのですね。
ただ、心理的に余裕があり満足していたとしても、良かれと思って無自覚に講釈を垂れる人がいるので、注意しましょう。
講釈を垂れる人への対応は聞き流しが良い
右から左へ聞き流す~♪


講釈を垂れる人への対応として、直接的な拒否や否定は禁物。
かと言って、下手にお礼をしたり褒めたりするのは、逆効果かも…。
そんなときは、いっそ聞き流してしまいましょう。
テレビのニュースやYouTubeの解説動画などと思って、真に受けないように対応するのがオススメです。
それでも改善されない、なかなか実践できない場合は、上司(その相手が職場の人の場合)や知人などに相談した方が良いかもしれません。
「講釈を垂れる」の類語は「高説を垂れる」


「講釈を垂れる」には、「高説を垂れる」という類語があります。
「高説を垂れる」の意味は、自分の意見ばかりを言い立てること。
「高説」は「ご高説」とも言い、他人の良い意見や優れた意見のことを尊敬語で表しています。
なので、少々皮肉っぽい言い方ですね。



良い意味では「ご高説を拝聴する」みたいに言うニャ
「能書きを垂れる」や「御託を並べる」は少し意味が異なる


似たような言葉で、「能書きを垂れる」や「御託を並べる」がありますが、これらは「講釈を垂れる」とは少し意味が違います。
能書きを垂れる:自分の優れた点や得意なことを言い立てること
御託を並べる:自分勝手な言い訳や理屈をしつこく言い立てること
「能書きを垂れる」は、薬の効能書きが由来とされていることから、「自分の長所について言うこと」を指します。
要するに、自慢話をするということですね。
一方「御託を並べる」はと言うと、「言い訳をしたり屁理屈を言うこと」を指します。
なので、能動的な表現の「講釈を垂れる」に比べると、受け身な感じがしますね。
「講釈を垂れる」は英語で「give boring lectures about this and that」


「講釈を垂れる」を英語で直訳すると、「drop a lecture」となりますが、「講釈(a lecture)を落とす(drop)」では意味が通じませんね。
意味を理解して英語にすると、「give boring lectures about this and that」(あれやこれやと退屈な講釈をする)となるかと思います。
※give a lecture:講釈をする、講義をする
※boring:退屈な、つまらない
※this and that:あれやこれやと
また、「give a lecture pompously」(えらそうに講釈する)と言っても良いかもしれません。
※pompously:えらそうに、尊大に、もったいぶって
微妙なニュアンスの違いで英語訳が変わってくるので、日本語って奥が深いですね!
まとめ
- 「講釈を垂れる」の意味は「上から目線でだらだらと物事を伝えること」
- 「講釈を垂れる」人は心理的に優越感や自己顕示欲が強く、対応としては聞き流すのが良い
- 「講釈を垂れる」の類語は「高説を垂れる」で、「能書きを垂れる」や「御託を並べる」は少し異なる
- 「講釈を垂れる」は英語で「give boring lectures about this and that」など
この記事が講釈を垂れていないことを願います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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